記憶の分類についてまとめてみました

アルツハイマー型認知症の特徴などの記事で、記憶障害について説明をしたことがありますが、「記憶」についてまとめた記事がなかったので、改めてまとめてみようと思います。

記憶とは?

記憶とは、新しいことを覚えて必要なときに引き出す働きのことです。覚える「記名(きめい)」、とどめておく「保持(ほじ)」、必要なときに引き出す「想起(そうき)」というこの3つのメカニズムから成り立っています。

内容から分類する記憶

記憶は内容と時間軸によって分類されます。まずは内容から分類して整理していきます。

上の図を説明すると、ことばで表現できない記憶を非陳述記憶ことばで表現できる記憶を陳述記憶、といい、さらに陳述記憶は意味記憶とエピソード記憶に分けられます。非陳述記憶はいわゆる手続き記憶と呼ばれる体で覚えた記憶のことをさします。

手続き記憶

手続き記憶はからだを繰り返し動かすことによって体得する記憶のことをさします。この手続き記憶は、人間が最初に覚える記憶だそうです。そして最も忘れにくい記憶でもあります。例えば、何年も自転車に乗っていなくても意外にスムーズに乗れたり、小学生以降触っていなかったリコーダーを老けたりするのは、この手続き記憶です。認知症になってもこの手続き記憶はが残ることは有名ですね。

エピソード記憶

エピソード記憶は、時間や場所などが限定させる個人の記憶(体験)です。感情が伴うことが多い記憶になります。アルツハイマー型認知症で早期から障害されるのがこのエピソード記憶です。

意味記憶

意味記憶は、「知識」です。一般知識や学習した記憶で、エピソード記憶のように感情が伴ってはいないため、思い出しにくい記憶です。興味のない勉強などはすぐに忘れてしまいますもんね(笑)。時折この記憶を引き出して反復すると定着していくそうです。なんでも忘れてしまう私が認知症のことだけは覚えているのは、こうやって何度も引き出しているからなんだなーと思います。

時間軸から分類する記憶

時間軸から分類すると、長期記憶と短期記憶に分けられます。先述した非陳述記憶と陳述記憶は長期記憶に分類されます。

短期記憶(即時記憶)

短期記憶は記憶を貯蔵する時間が数十秒から1分程度と短い期間の記憶です。用件が終わればすぐに消えてしまいます。

近時記憶・遠隔記憶

近時記憶は、数分〜数ヶ月の記憶のことをいい、遠隔記憶は、何年にもわたって蓄積された記憶です。アルツハイマー型認知症ではこの近時記憶の障害が目立ってきます。

とてもわかりやすくまとまっています!

東京都心身障害者福祉センターから発行されている記憶障害についてのリーフレットがとてもわかりやすくまとまっています。

高次脳機能障害者の支援に関わる方のためのリーフレット

正直、このブログを読むよりも、ずっとわかりやすいです(笑)

まとめ

悲しいですが、あまり面白くないブログ記事になってしまいました(笑)。というのも、実は私はこの記憶の分類が苦手なんです。。克服したくて頑張って手をつけてみましたが、やはり苦手です。誰かのお役に立てると嬉しいです。

【参考文献】
篠浦伸禎監修 木村泰子著「美しい脳図鑑」笠倉出版社
記憶障害の理解と支援のために  東京都福祉保健局