認知症の人との会話が難しいと思ったら内容よりも雰囲気を重視する

私はセミナーでも必ず言いますが、私は認知症ではないので、認知症の人の本当の気持ちはわかりません。「認知症の人が考えていることがわからない」と言う人がいますが、当たり前です(笑)。認知症になったことがない私たちが、認知症の人が感じている世界観がわかるはずはないのです。

(まぁ、認知症の人に限ったことではありませんよね。家族や友人、同僚の気持ちだってわかってないですから)

ただ、想像することはできます。私はこの想像するときの手がかりとして認知症の知識が必要だと思っています。

内容よりも雰囲気

話の内容が全くわからないこともありますよね。あとは言葉が聞き取れないとか。

最初の頃は「なにか答えなきゃ」と思っていたので、話の内容がわからなかったり聞き取れないとなんとなくそっと逃げたりしてました。

でもですね、あるとき、全然答えを求められていない!って気づいたんですよ。雰囲気を共有できればいいんです。

楽しそうに話していればとりあえず笑う、怒っていればとりあえず深刻な顔をする、どっちかわからないは、ボーっとした感じで「なるほどー」って言ってみる。こんな感じです(笑)。そうすると、なんとなく終わります。

話を無理に着地させる必要はない

昔の私は、「納得してもらわなければならない」「話を成り立たせなければならない」「話のオチを見つけなければならない」と必死になっていました。でも、オチなんてないし、逆に自分の中で「よし!終わった」と思ってもまた最初から・・・みたいなこともあるわけで。。。

着地点を無理矢理こちらできめてそこに着地させるのではなく、認知症の人が自分で決めた着地点に着地してもらえばいい。それが、こちらが思っていた着地点と違っても、「あーそっちに降りたのね」とさらりと流せばいい。

なんなら、話を無理に着地させる必要はない。

スルー力をつける

前にも何かも記事で書きましたが、私は話をスルーする天才です(笑)

先日、ショートステイでボーっとしていたら、突然、利用者さんが私に

ちょっと渡辺さん!静かにして!!

と怒ってきました。

・・・えっと、、そもそも私、渡辺さんじゃないし、ぼーっとしてたし。

そんなときは、スルーです。ツッコミは不要です。だって反応求めてないですから(笑)なんでも真正面に向き合えばいいってもんでもないのが、認知症ケアの面白いところです。

無視とスルーの違い

無視とスルーの違いは、求められているか、求められていないか、それだけの違いです。

相手が求めているのにそれをしないのは無視です。例えば、通りがかりに「トイレに行きたい」と利用者に言われたのに。聞こえなかったふりをして通り過ぎていくのは無視です。独り言を言っているだけで何も求めていない場合に通り過ぎるのはスルーです。

まとめ

私の場合、認知症ケアは一緒に生活をする、という視点で考えるようにしています。ですので、お互いが疲れない方法を選んでいくのがいいと思います。

認知症ケアに疲れないコツは時間の流れを同じにする

2018年6月5日