「用事がないなら座っていてほしい」という気持ちを分析する

先日、医務室で仕事をしていたら、フロアである職員のこんな声が聞こえてきました。

コーヒーを入れたのでどうぞ座って下さい
〇〇さん、座ってていいですよ
〇〇さん、座って飲みましょうよ・・・
〇〇さん、お願いだから座っててくださーい
〇〇さん、コーヒーは座って飲むものです!座って下さい!!!
もー!!!いいから座ってて!!!

アルツハイマー型認知症の女性と介護福祉士の会話です。

これ、3分くらいの出来事です。。。介護現場あるあるです。決して珍しいことではなく、この職員以外でも他の現場でも日常的にこんなことが行われているのが現状です。

この場面から専門職側の課題に焦点を当てて考えていきたいと思います。

完全に業務優先の思考になっている

私の職場は午前10時にコーヒータイムがあります(といってもインスタントコーヒーですが・・・苦笑)。決して全員に飲ませる必要はなく、また10時きっかりでなければならない、なんてことはありません。希望する利用者に、希望する時間に提供すればよいのですが、この業務優先タイプの人は「早く終わらせてしまいたい」という気持ちが強いので、10時に全員がコーヒーを飲み終わることを優先してしまいます。

こういう人は、この傾向からなかなか抜け出せず、利用者を常に急かし混乱させています。
この記事に書いたような人たちです。

介護現場によくいる認知症の人に振り回される専門職

2018.10.19

背景を探ろうとしていない

この会話の中に、利用者に全く質問していないというのが謎です。座ってコーヒーを飲んでほしいという自分の希望だけを押し通し、座っていられない背景を全く探ろうとしていませんよね。

この介護福祉士は、「用事がなければ座っているのが当たり前」という考え方のようです。きっと自分がそうなんでしょうね。だからこういうやり取りになってしまうのかなと思います。一言「どうしましたか?」と聞くだけで、その人の困っていることを知るチャンスになるんですけどね。

このような介護者主体のケアは、認知症の人が出しているサインを潰してしまうことになります。

転ばせてはいけないという課題

最近、セミナーでこの話に触れることも多くなってきたのが、この「転ばせてはいけない介護現場の風潮が強くなりすぎている」ということです。ここに関しては、別記事であげようと思っていますが、この「転ばせてはいけない」が、認知症の人の自由を制限し、自立を奪い、介護職のモチベーションを下げていると強く感じています。

現場は自由と安全の間で日々葛藤しているのが現実です。

まとめ

ある職員の言動から感じたことを記事にしてみました。深く掘り下げるともっといろんな課題があるのですが、長くなりすぎてしまうので今日はここまでにします。こういう場面って、正直不快ですし、「こういう職員には何を言ってもしょうがない」と諦めてしまいそうになりますが、こういう小さなところを変えていけるかに認知症ケアの将来がかかってきていると私は思います。

函館は紅葉が綺麗な時期になっています。

1 個のコメント

  • 自分が行っている、この仕事(業務)の本質は何か?

    これを考える習慣がつくと、すっきりすることが多いです。

    ありがとうございます。

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