アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する②

前回の記事では、アミロイドカスケード仮説とは何か?について説明をしました。

おさらいです。

これが、アミロイドカスケード仮説でしたね。

神経細胞とは

今日は神経細胞のお話です。アルツハイマー型認知症は最終的に「神経細胞が死滅する」という病気ですので、まずは神経細胞って何なのか?を知っていきましょう。

からだのなかには、たくさんの細胞があります。脳の神経細胞は、情報の伝達と処理を担う細胞で脳になんと約100億個以上もの神経細胞によって構成されています。神経細胞内は電気信号によって情報が伝達されます。

神経細胞はニューロンとも呼ばれます。

生理学、とくに脳の勉強をしていくと、必ずニューロンが登場しますので、ここを理解しておくと、後々役に立つと思います。

ニューロンは、この図の通り、細胞体樹状突起軸索で構成されます。

細胞体の大きさは0.01mm〜0.005mmくらいの大きさなんだそうです。ものすごく小さいですよねー。

さまざまな神経細胞が複雑に絡み合って、情報を伝達することで、ヒトは高度な活動ができています。

アルツハイマー型認知症を勉強していると、このニューロンがよく出てくるのは、アルツハイマー型認知症は脳の1番外側の大脳皮質(大脳新皮質)に障害が出るのですが、その大脳皮質にたくさんのニューロンがあるからなんです。

大脳皮質

大脳皮質は哺乳類だけが持つ領域で、学習や運動、記憶、認知などをつかさどる高度な場所になります。

このイラストだと、大脳皮質が厚く見えちゃいますが、実際は2mm〜4mm程度です。そしてたったこの2mm〜4mmという厚さのなかで、6層構造になっているというから驚きです!

シナプス

神経細胞と神経細胞は繋がっていません。その隙間をシナプス間隙(一般的にはシナプス)といい、この隙間は神経伝達物質を介して情報が伝わります。

後日アセチルコリンについて説明する予定ですが、そのときにこのシナプスや神経伝達物質が登場するので、覚えておいてくださいね!

では、今日はここまでにします。

次回は、いよいよお待ちかね(?)アミロイドβについての説明です。

まとめ

1.脳はたくさんの神経細胞(ニューロン)によって情報伝達が行われている
2.ニューロンは細胞体樹状突起軸索で構成される
3.シナプス間隙では神経伝達物質によって情報が伝達される

◆参考文献はこちらの記事に載せています


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