アルツハイマー型認知症とアセチルコリンの関係

アルツハイマー型認知症の病理学的変化についてお伝えしているシリーズです。

アミロイドカスケード仮説に関してはこちら

 

今回はアルツハイマー型認知症や、認知症の薬(抗認知症治療薬)を理解するうえで大切になるアセチルコリンについてお伝えします。

神経伝達物質のひとつ

②の記事でも少し触れましたが、アセチルコリンはシナプスで情報伝達を行う神経伝達物質のひとつです。

シナプスについても同じ記事で書いていますが、神経細胞と神経細胞の隙間のことです。

神経伝達物質は60種類以上あるといわれていて、運動や情動、認知などに関わっているとされています。どの神経細胞からどの神経伝達物質が出るかは脳の部位によって異なります。

アセチルコリンの働き

数ある神経伝達物質の中で、アルツハイマー型認知症に関わる神経伝達物質が主たるものがアセチルコリンです。アセチルコリンは副交感神経の神経伝達物質としても大切な働きがありますが、アセチルコリンは認知機能を保つ働きあります。

アセチルコリンを神経伝達物質とするニューロンを「コリン作動性ニューロン(コリン作動性神経、アセチルコリン作動性神経細胞)」と呼んだりもします。コリン作動性ニューロンは中枢神経系、とくに大脳皮質、海馬周辺にかけて広く分布しています。

このことからアルツハイマー型認知症に関係が深いことがわかると思います。

コリン作動性ニューロンの障害

アルツハイマー型認知症では、アミロイドβの蓄積や神経原線維変化によってニューロンが死んでしまうという話をこれまでにしてきました。

アルツハイマー型認知症では、神経細胞のなかでもとくにコリン作動性ニューロンが選択的に障害されることがわかっています。

その結果、アセチルコリンの量が低下し、認知機能が低下すると考えられています。

コリンエステラーゼ

アセチルコリンを理解するために、もう少し話を進めます。

シナプスに放出されたアセチルコリンはコリンエステラーぜという酵素によって分解されます。

アルツハイマー型認知症ではコリン作動性ニューロンの働きが低下し、放出されるアセチルコリンの量は減るのですが、コリンエステラーゼの働きは保たれてます。その結果、ますますアセチルコリンが減ってしまいます。

抗認知症薬についてはまた別の記事でまとめますが、ドネペジル(アリセプト®︎)などのコリンエステラーゼ阻害剤は、ここに関係する薬です。

補足
コリンエステラーゼはアセチルコリンをコリンと酢酸に分解させることで情報伝達を終了させます。分解されたコリンは再利用されます 

まとめ

1.アセチルコリンはシナプスで情報伝達を行う神経伝達物質のひとつ
2.アルツハイマー型認知症ではコリン作動性ニューロンが障害されアセチルコリンの量が減る
3.コリンエステラーゼの働きは保たれるため、ますますアセチルコリンの量が減る


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