【まとめ記事】アルツハイマー型認知症の病態生理

シリーズでお伝えしてきた『アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する』の記事をまとめました。

①アミロイドカスケード仮説とは?

アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する①

2019年4月23日

①のまとめ
1.アルツハイマー型認知症の原因はまだわかっていない
2.アミロイドの蓄積がアルツハイマー型認知症を発症させるという「アミロイドカスケード仮説」がある
3.「アミロイドカスケード仮説」が現在もっとも有力なアルツハイマー型認知症発症のメカニズム

②神経細胞(ニューロン)とは?

アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する②

2019年4月26日

②のまとめ
1.脳はたくさんの神経細胞(ニューロン)によって情報伝達が行われている
2.ニューロンは細胞体樹状突起軸索で構成される
3.シナプス間隙では神経伝達物質によって情報が伝達される

③アミロイドβとは?

アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する③

2019年4月29日

③のまとめ
1.アミロイドβは40個程度のアミノ酸が集まったタンパク質
2.アミロイドβは健康な人でも作られる
3.加齢などによりアミロイドβの量が増えるとアミロイドβが分解されず凝集する

④老人斑とは?

アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する④

2019年5月3日

④のまとめ
1.アミロイドβが結合(凝集)したものをアミロイドβオリゴマーという
2.アミロイドβオリゴマーは神経毒性を持つ
3.アミロイドβオリゴマーは、アミロイド線維となり、細胞の外に沈着する。これを老人斑という。

⑤神経原線維変化とは?

アルツハイマー型認知症の病理学的変化を理解する⑤

2019年5月8日

⑤のまとめ
1.神経原線維変化はリン酸化されたタウタンパクが細胞内に蓄積したもの
2.タウタンパクは細胞内にある微小管結合タンパク質の1種
3.タウタンパクが過剰にリン酸化されると細胞内にタウタンパクが結合し細胞の機能が低下する

⑥アセチルコリンとは?

アルツハイマー型認知症とアセチルコリンの関係

2019年5月11日

⑥のまとめ
1.アセチルコリンはシナプスで情報伝達を行う神経伝達物質のひとつ
2.アルツハイマー型認知症ではコリン作動性ニューロンが障害されアセチルコリンの量が減る
3.コリンエステラーゼの働きは保たれるため、ますますアセチルコリンの量が減る

⑦アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とは?

抗認知症薬①アセチルコリンエステラーゼ阻害薬について

2019年5月17日

⑦のまとめ
1.抗認知症薬はアセチルコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬に分けられる
2.アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害してアセチルコリンの量を増やす
3.アセチルコリンの量が増える(減るのを抑える)ことにより認知機能を維持することを目的として使われる

⑧NMDA受容体拮抗薬とは?

抗認知症薬②NMDA受容体拮抗薬について

2019年5月19日

⑧のまとめ
1.メマンチンはグルタミン酸の受容体を遮断することによって神経を保護する
2.記憶・学習などの認知機能に関係するグルタミン酸が過剰になると神経毒性をもつ
.メマンチンはNMDA受容体に結合し細胞の死滅を防ぐ

参考文献

『認知症テキストブック』日本認知症学会 中外医学社
『ぜんぶわかる認知症の事典』河野和彦監、成美堂出版
『ぜんぶわかる脳の事典』坂井建雄、久光正監、成美堂出版『脳とグリア細胞』工藤佳久著、技術評論社
『おもしろサイエンス神経細胞の科学』倉橋隆、竹内裕子著、日刊工業新聞社
『図解入門リベンジ薬理学 第2版』 中原保裕、中原さとみ著、秀和システム
『最新カラー図解 はじめての薬理学』丸山敬著、株式会社ナツメ社
『ゼロからのサイエンス よくわかる生化学』生田哲著、日本実業出版社
『カラー図鑑生理学の基本がわかる辞典』石川隆監修、西東社