シリーズでお伝えしてきた『レビー小体型認知症の病理学的変化を理解する』の記事をまとめました。
①レビー小体型認知症の歴史とアウトライン
①のまとめ
1.レビー小体型認知症は1996年に病理診断基準が確立された比較的新しい疾患で日本の小坂憲司先生が報告をしたのがはじまり
2.パーキンソン病とレビー小体型認知症は一連の疾患
3.レビー小体という異常な物質が出現することにより起こる
②レビー小体とは?
②のまとめ
1.レビー小体の主成分はαシヌクレインというタンパク質
2.αシヌクレインが何らかの要因で変性し神経毒性を持つ
3.神経毒性により細胞が死滅する
③なぜパーキンソン症状?
③のまとめ
1.レビー小体型認知症は3つのタイプに分けられる
2.脳幹にレビー小体が蓄積することでドパミン神経細胞が減少する
3.ドパミンの量が減ることでパーキンソン症状が出る
④全身疾患といわれるのはなぜか?
④のまとめ
1.レビー小体は中枢神経系だけでなく末梢交感神経節や消化管神経叢などにもレビー小体が出現する
2.交換神経節にレビー小体が蓄積することで自律神経症状が起こる
3.MIBG心筋シンチグラフィはアルツハイマー型認知症との鑑別にも使われている
⑤神経伝達物質はどうなる?(その他補足)
⑤のまとめ
1.レビー小体型認知症ではドパミンとアセチルコリンの両方が減少する
2.マイネルト基底核にレビー小体が現れるためアセチルコリンが減少する
3.アルツハイマー型認知症と比べると海馬の萎縮は軽度である
【参考文献】
『ぜんぶわかる認知症の事典』河野和彦監、成美堂出版
『ぜんぶわかる脳の事典』坂井建雄、久光正監、成美堂出版
一般社団法人日本神経病理学会ホームページ
パーキンソン病 / レビー小体型認知症の血圧と認知機能 :朝比奈正人
MDSマニュアル プロフェッショナル版 レビー小体型認知症およびパーキンソン病認知症
神経変性疾患における病理像の見方,考え方 :若林 孝一
国立国際医療研究センター病院 写真 認知症情報サイト MIBGシンチグラフィー
東京都医学研・脳神経病理データベース