こんにちは。ブルーベル代表 市村幸美です。
6月23日の『介護職に必要な高齢者の方への医療知識セミナー』で、質問用紙に質問を書いてくださったのに時間内にお答えすることができなかったご質問がいくつかありましたので、こちらでお答えさせて頂きます。

①認知症の方の排泄について

ご質問ありがとうございます。
こちらも基本的なことはセミナーで話した頻尿の話と同じで、泌尿器そのものの問題(膀胱炎など)や、排尿をコントロールする大脳皮質との連絡がうまく行かなくなっていることが考えられます。
以前に書いた記事に詳しく書いていますので、こちらを参考にしていただければと思います。動画もあります。
また、男性の場合だと前立腺肥大なども考えられますし、薬の副作用なども考えられますね。
日本泌尿器科学会のこちらの記事がわかりやすいです。
https://www.urol.or.jp/public/symptom/05.html
排尿障害の副作用がある薬剤も多いので、かかりつけ医に症状を伝えて薬の副作用ではないか確認することも必要かと思います。
「排尿障害」「尿閉」「薬剤」「副作用」などで検索すると色々な情報がありますので、調べてみて下さい。
セミナーでもお伝えしましたが、信頼できるサイトで調べて下さいね!
②排便コントロールについて

ご質問ありがとうございます。
ご質問の幅が広いので、どのような方を対象としているかがわからないのですが、一般的な介護現場における排便コントロールについて、お伝えします。
結論から言うと、特別なことはありません。おそらくご質問を下さった方もすでにやっているのではないかと思いますが
・水分を摂る
・バランスの食事を摂る
・適度な運動をする
という当たり前のことが基本です。
ただ高齢者になると、この当たり前のことができなくなってきますよね。食事や水分が十分に摂取できないことも多いでしょうし、運動も難しくなってきます。
内臓的にも消化管の蠕動運動が低下してきたり、排便中枢の機能が低下したり、直腸反射が鈍くなったりします。(排便障害では便秘が多いですが、水分吸収がうまくいかなくなり下痢に傾くこともあります。)
私は精神科病院での経験から、便秘に過敏です。。。(精神科ではイレウスが多く、便秘からイレウスになった患者をたくさんみてきたため)。ですので、つい3日以上排便がないと下剤を投与してしまいがちですが、これは正解ではありません。。
ユニチャームのこちらのサイト(排泄ケアナビ)に、排便コントロールのアプローチが詳しく載っています。少し古い記事ではありますが、介護現場の排便コントロールについてわかりやすく書かれていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか?
http://www.carenavi.jp/jissen/ben_care/control/control07_1.html
安易な下剤投与はよくはありませんが、下剤を服用することがダメなことだとは私は思っていません。
できるだけ下剤に頼らないで自然は排便ができるようなケアを目指すとともに、必要なときは薬を使うことも必要だと考えます。
便秘に関しても、若い頃から便秘がちだった人と、高齢になってから便秘になった人では、腸の機能や食べ物、薬の反応も違ってきます。
また食べ物でも「ヨーグルトがいい」「食物繊維がいい」などと言われますが、ヨーグルトでもどの菌が合うかは人それぞれですし、食物繊維(とくに不溶性)も人によっては余計にお腹が苦しくなってしまう人もいます。
排便に関してもたくさんの書籍やサイトがありますので、調べると選択肢が増えると思います!
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もうひとつ低血圧の人の入浴についてご質問がありましたので、別記事でお答えします!