【セミナーでのご質問】平熱が高い人の入浴の判断について

生理学講座の東京会場は満席となりました。ありがとうございます!お申し込み頂いた方には詳細メールを送らせて頂いておりますので、ご確認下さい。

こんにちは、ブルーベル代表 市村幸美です。

介護職に必要な高齢者の方への基本的な医療知識セミナーで頂いた質問の中から、ブログ記事でも取り上げたいなと思ったものをご紹介していくシリーズです。私個人の見解になりますので、その旨をご了承ください。

今日取り上げるご質問はこちらです。

平熱が37.0〜37.3℃の方が37.5℃あった場合の入浴はどうなのでしょうか?(本人はいつもと変わらず元気。対応も普通にできる。)

ご質問ありがとうございます!

結論からいうと
・本人と相談する
・脈拍、血圧、呼吸はいつもと比べてどうか?を確認する
・入浴をした場合は入浴後にも検温をして変化をみる
という感じでしょうかね

セミナーでも言いましたが、血圧と同様、この数値だからOKとは言い切れないんですよね。欲しがる気持ちはすっごくわかる(笑)数値で全てが判断できたらどれだけ楽だろうと私も思います。

この記事ではもう少し生理学的な部分を説明したいと思います。

体温とは

平熱はセットポイントともいい、脳の視床下部という場所でコントロールされています。セットポイントはいつも同じ何ではなく、常に変動しています。

 

 

生理学講座では、この「視床下部」が何回も登場するので受講を検討している人は頭の片隅に入れておいて下さい(笑)

一般的に、医療現場でも介護現場でも37度以上だと、再検の対象になってくると思います。なので37度以上は発熱という認識の人が多いかなと思いますが、感染症法では37.5度以上を発熱と定義しています。

ヒトは平熱が37度程度なのにはもちろん意味があって、体内の酵素が最も活性できる温度が37度なんだそうです。

酵素は代謝などに欠かせないものなので、低体温だと病気になりやいとか太りやすいとかいわれるのも納得できますよね。最近は「低体温のほうが長生きする」という説もあるようなので、今後の情報にもアンテナを張っておかないとですねー。

高齢者は「いつもと比べてどうか」

ここからは高齢者の場合になりますが、高齢者になると基礎代謝の低下などで平熱は下がってくる傾向になっていますので、常々言っているように

いつもと比べてどうか

が最大のポイントになってきます!

 

 

またこのような平熱が高い人の場合、昔から平熱が高いのか?も確認する必要があるかと思います。

「見た目は元気なんです」というのをよく聞きますし、私は介護職さんのその「肌感覚」を信用しています。でも、見た目ではわかりにくい部分もあります。

風邪などの上気道感染とかはわかりやすいですが、膀胱炎などの感染やホルモンの異常、薬の影響などはわかりにくい部分です。

バイタルサインは全部つながっている

高齢者を対象とする場合は、一般的な成人の正常値だけでなく、その人の平均値との比較が大切です。なんとなくルーチン業務として「ただ測定すればいい」というような雰囲気を感じる場面もありますが、測定した数値を分析できる力を身につけていく必要があると思います。

また最初に書いたように熱だけに注目するのではなく、他のバイタルサインの比較も大切です。からだは全て繋がっていますからね。

からだの繋がりに関して撮った動画がありますので、記事の最後に貼り付けておきます。興味のある人はご覧になって下さい。


↑ またまた自作の微妙なイラストを使って話していますww

かかりつけ医に相談する

当然かかりつけ医に相談はしていると思いますが、心配であれば医師に入浴許可範囲を決めてもらったり、どこを観察して問題なければ入れていいのかを聞いてみるといいのではないでしょうか?

ちなみに、私だったらどうしただろうか・・・と考えましたが、うーーーん・・・実際に利用者さんをみていないのでなんとも言えませんが、入浴は見送ったかもしれません。平均値よりも高いですからね。これは参考にしないで下さい(笑)

動画

途中でお伝えしたからだはつながっているという話の動画はこちらになります。

お時間のある方は、こちらの動画を先に観て頂いたほうがしっくりくるかと思います。

そうです、例の事故動画ですwww

参考になると嬉しいです。
ご質問ありがとうございました!

 

では、またー