こんにちは、ブルーベル代表 市村幸美です。
軽く体調を崩しており、更新が久しぶりになりました。このときと同じで、生理学講座で「私風邪ひかないんです」発言をして、風邪をひく。お決まりのパターンですね。
今日の記事にもぴったりなんで、結果オーライってことで進めていきます。
今日の記事は先日の生理学講座の参加者さんに対しての記事になりますが、興味のある方は一緒に読んでみてください。
テーマは解熱鎮痛剤についてです。
生理学講座でロキソニンなどはプロスタグランジンの生成(合成)を抑えて解熱をするというお話をしましたよね。
ロキソニンは商品名で、薬理学的な表現では非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)になります。この先はNSAIDsで統一しますね。
もう少し詳しくプロスタグランジンについて説明すると、下の図のようになります。

そして、NSAIDsの働きですが正確にはプロスタグランジンそのものをどうにかするのではなく、アラギドン酸からプロスタグランジンを合成するCOX(シクロオキシゲナーゼ)の働きを抑える(阻害する)ことで、プロスタグランジンの合成を抑制します。

って感じですよね!サイトカインはCOX(正確にはCOX-2)を増強させるように働きます。

講座中にもなんども言いましたが、覚える必要はないです。「聞いたことがある」というのが大切なんで、あえてこんな用語を使っています。
プロスタグランジンの代表的なものとその作用をあげると
ここまでは復習的な感じです。OKでしょうか?

OKですね!
では、もう少し進めていきます。
さて、ここからは新しい部分です。

NSAIDsの解熱の仕組みはわかったけど
鎮痛も同じようにプロスタグランジンが影響するの?
というのが講座で出た質問です。
結論から言うとその通りです!
ただ、痛みに関して生理学的に理解するには、もうひとつのルートを理解する必要があります。
キーワードはブラジキニンです。
ブラジキニンは発痛物質のひとつで、組織(細胞膜)が損傷すると血管(血しょう)から外に出て知覚神経を刺激します。
プロスタグランジンは、ブラジキニンの作用を増強させる働きがあります。
ここまでくればなんとなく分かってきたと思いますが、
NSAIDsを服用
↓
COX(シクロオキシゲナーゼ)の働きを抑える
↓
プロスタグランジンの生成を抑える
↓
ブラジキニンの作用が増強されない
↓
痛みが弱くなる
という流れになります。
病院で処方される代表的なNSAIDsの商品名をあげると、ロキソニン、バファリン、ボルタレンなどがあります。
カロナールはNSAIDsではなくアセトアミノフェンです。
講座で詳しくは説明できませんでしたが、作用機序は同じではありません。
講座でも「カロナール(アセトアミノフェン)はロキソニン(NSAIDs)ほどメカニズムがよくわかっていない」と話しましたが、改めて調べてもやはり曖昧なものが多いですね。
ただ、ひとつ修正です!アセトアミノフェン(カロナール)もプロスタグランジンの合成を抑える働きがあるようです。(正確には中枢のプロスタグランジンの合成は阻害するけど抹消のプロスタグランジンは阻害しないそう)
カロナールは中枢(脳・脊髄)に働きかけて痛みの域値(痛みの感じやすさ)を調整することで、鎮痛作用を発揮するようです。
少し用語は難しいですが、信頼性の高い参考サイトを貼っておきますので読んでみてください!
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
「NSAIDsとアセトアミノフェン」
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keynsaids.html
特定非営利活動法人 日本緩和医学会
https://www.jspm.ne.jp/guidelines/pain/2010/chapter02/02_04_02_01.php
参考になると嬉しいです!
大阪開催も近づいてきました。大阪開催は今回で最後になりますので、気になっている方は是非☆
では、またー

お師匠様
いつもありがとうございます。
薬のことは、来年勉強し直します。
本日(10/27)模試がありました。
課題が明確にはなりましたが、
このような設問がありました。
次の症状ないし疾患と治療薬の組み合わせの内、適切なものを2う選びなさい。
1幻覚・妄想状態 ・・・・ フェニトイン
2躁状態 ・・・・・・・・ イミプラミン
3アルツハイマー病 ・・・ ドネペジル塩酸塩
4てんかん発作 ・・・・・ リスペリドン
5パニック障害 ・・・・・ パロキセチン
知っている薬と知らない薬、それに症状に合う薬
模試とはいえ、愕然。 ここから這い上がります。
ありがとうございました。