【セミナーでのご質問】透析を受けている人の対応

こんにちは、ブルーベル代表 市村幸美です。

介護職に必要な高齢者の方への基本的な医療知識セミナーで頂いた質問の中から、ブログ記事でも取り上げたいなと思ったものをご紹介していくシリーズです。私個人の見解になりますので、その旨をご了承ください。

今日は2つのご質問を取り上げます。

①認知症専門のデイサービスです。(小規模、1日10人位まで)。前頭側頭型認知症の利用者さんで、透析を1日おきに受けていて、デイ利用時の水分量が200ccです。

本人が水分を欲しがりますが、制限がありあげられません。

しかし周りの高齢者の方にはこまめに水分を提供しているので、それをみて欲求が強くなり他者にあたりちらします。他者が怯えてしまって困っています。

②透析を受けている方の運動時の注意点

 

ご質問の内容は違いますが、どちらも透析を受けている人が対象でしたので、まとめさせて頂きました。

①に関しては、セミナー中にもお答えしたように、仕方がないです。よくある話です(笑)。この利用者さんがどの程度の状態かわかりませんが、怒るからといって水分を提供してしまうと、次回の透析でドライウェットに戻すのに負担がかかりますので、我慢してもらうしかありません。

他の利用者さんとの兼ね合いは、介護職さんの腕の見せ所でしょう。

少なくとも、この利用者さんを「他の利用者に迷惑がかかるから」という理由をつけて、利用停止などにしないことを切に願います。

②に関しては、医師に確認すること。ここが原則です。

昔と違い、今は透析患者さんの運動に関しては、積極的に行うようになっていますが、糖尿病や心不全がある場合などは避けた方がいい場合もあります。

血圧の範囲や、運動負荷の程度、時間、どんな時はやらない方がいいのかなど確認してから行うといいでしょう。また透析を受けている人は倦怠感が強い人もいますので、本人と相談して行っていくというのが原則かと思います。

こちらのホームページを参考にしてみてはいかがでしょうか?

医療法人 いぶきクリニック

ここからは少し補足です。

まず、「透析をしている」という表面的なことだけではなく、「なぜ透析を受けているのか?」「からだのなかはどんな状態なのか?」を考える、または調べることが大切です。

ただ、透析ってめっちゃ難しいんですよね。

私も准看護師時代に2年半くらい透析の病院で勤めていましたが、勉強してもなかなかわからないことが多かったです。

 

透析の勉強がなぜ難しいかというと、腎臓の構造や働きがけっこう複雑だから。腎臓の解剖生理と腎不全という状態を理解できないと、なかなか透析を理解することは難しい。

国立循環器研究センター病院のホームページの説明がわかりやすいと思いますので、ぜひ読んでみてください。

国立循環器研究センター病院 腎不全

↓ もっと詳しく知りたい人にはこちらがおすすめです。

大阪府立急性総合医療センター 腎臓高血圧内科

透析を受けている利用者さんというのは、透析を受けなければ亡くなってしまう状態です。また、長期で透析を受けている人は合併症も多くなります。

 

ちなみに、透析を受けている人の約10%が認知症の人だそうで、75歳以上では30%に上るそうです。

 

参考になると嬉しいです。
ご質問ありがとうございました!

では、またー