【セミナーでのご質問】家ではむせないのに施設ではむせる利用者への対応

こんにちは、ブルーベル代表 市村幸美です。

介護職に必要な高齢者の方への基本的な医療知識セミナーで頂いた質問の中から、ブログ記事でも取り上げたいなと思ったものをご紹介していくシリーズです。私個人の見解になりますので、その旨をご了承ください。

今日取り上げるご質問はこちらです。

食事中にのどのあたりに食べ物が引っかかっていたり、水分でもむせ込んだりします。毎回ではなく時々このような状態になります。ご家族に確認すると家ではむせ込むことなく食べているようです。

水分などにトロミをつけたほうがよいでしょうか?

ご質問ありがとうございます!

 

こういうのも、たまにありますよね。

家での過ごし方情報と、デイサービスやショートステイの状態が違うこと。

 

とにかく、家での状況を詳しく具体的に聞いて、何が違うのかを分析しましょう。

絶対に何かが違うのです。

 

大きな違いかもしれないし、些細な違いかもしれない。

でも、絶対に何かが違うはずです。

 

この分析をせずに、「デイサービスではこうなんですよ」と一方的に報告するでけでは、利用者に不利益が出るだけでなく信頼関係にも影響が出ます。

 

今回の場合は、食事に関することなので、例えば

・食事の時間
・食事形態
・食事の内容
・食事の量
・食事をしている姿勢
・テーブルと椅子の高さ
・食事の容器や道具

などなど、考えられることはたくさんあります。

 

で、この場合だと家ではむせないわけですから、違いがわかったら家での状況に合わせていくのが大切です。違いがわかって、「でもデイサービスではできないんで」だと意味がないですもんね。

意外にありませんか? 情報を聞くだけ聞いて、活かしてないパターン(笑)

また、認識の違いとか、受け取り方の違いでズレが起こっている場合もありますので、情報のすり合わせが本当に大切です。

 

あと、水分のトロミに関しては、本当に必要になるまでは安易に使用しないほうがいいと私は思っています。色々新しい製品が出たりしていますが、美味しくないですよね。

トロミのついたぬるくて薄いお茶なんで、世の中で1番まずい飲み物なんじゃないかと思いますもんね。

「むせる」に対しては効果があるとしても、トロミのついたお茶を飲みたくないから水分を全く摂れなくなる人をたくさんみてきましたから。

 

 

以前にシリーズでお伝えした「認知症ケアにおける食事を考える」も参考にしてみて下さい。

1回目「摂食嚥下のメカニズムと解剖をおさえよう!」
2回目「認知症と食事① 認知機能障害が食事に与える影響」
3回目「認知症と食事② 認知症のタイプ別における食事の特徴」
4回目「認知症ケアにおける食事援助のポイント」

声が聞き取りにくい部分がありますが動画もよければ参考にしてみて下さい。

 

 

参考になると嬉しいです。
ご質問ありがとうございました!

では、またー