日総研セミナーを1年終えて思うこと

認知症専門ナースケアマネ 市村幸美(いちむらさちみ)【ゆるらく認知症ケア】

市村が考えるゆるらく認知症ケアとは→

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こんにちは、市村です。

昨日は日総研セミナーで東京へ行っていました。新幹線で昨日の夜帰ってきて、早朝にこのブログを書いています。セミナーは『認知症高齢者への適切な声かけ・対応・接し方』ということで、昨年から1年かけて、仙台、東京、札幌、名古屋、岡山、福岡と全国をまわらせて頂き、昨日の2回目の東京がラストでした。「いつか日総研セミナーの講師をやりたい!」とずっと言っていたので、本当に嬉しかったです。知り合いからも「有言実行だね」と言ってもらえたり。でも実際にやることになったらすごい緊張とプレッシャーで毎回胃がキリキリしていました(笑)

今日はこのセミナーで私が伝えてきたこと、この1年で変わったこと、などをお伝えしようと思います。

このセミナーで伝えてきたこと

「病気の理解」と「人の理解」

「認知症の人を理解することが大切」とよく言われますが、抽象的でイマイチよくわからない感じがします。様々な書籍で“認知症を理解する◯個のポイント”などのヒントがありますが、私はこのセミナーでは、「病気の理解」と「人の理解」というこの2つに絞ってお伝えをしました。“認知症を病気だと捉えず1人の人としてみる”という考え方もあるようですが、私はまず病気として正しく捉えるということに重きを置いています。

認知症になるとどうして記憶障害が出るのか?

認知症はどう進んでいくのか?

どんな症状が出るのか?

アルツハイマー型認知症以外の認知症ってどんな認知症なの?

・・・などなど、認知症の研究が進んでわかってきていることがたくさんあります。経験値だけに頼っていると知識に偏りが出でくるのが現状です。「どんなケアをしたらいいか」は認知症の病態がわかれば、自然と自分で考えていく力がついていくんだと私は思っています。

病名がついていなくても大丈夫

実際の現場では、きちんと病名がついていない患者・利用者さんがたくさんいます。その時に「病名がついていないからできない」と言い訳をして欲しくないというのがあります。病名がついていなくても、本人が何に困っているかがわかって、そこを解決するための方法を考えればいいわけですよね。そのための4大認知症の特徴をかなり時間をかけてお伝えしました。「このタイプの認知症かな?」と推測する分析力をつければ認知症ケアはもっと楽になります。

まずは自分が気づくこと

このセミナーでは、グレーゾーンのケアや不適切なケアについても時間をかけて話しました。でも決して「こんなケアをしているあなたはダメですよ!」ということを言いたいわけではなく、まずは自分がグレーゾーンのケアをしていることがあるんだということに気づくことがスタートだということを伝えました。

1年で変わったこと

「頑張りましょう」から「楽になりましょう」へ

この1年で変わった1番のことは、このブログのテーマにもなっている「ゆるらく認知症ケア」という考えを言えるようになったことです。この1年の間に認定看護師じゃなくなったことも、私にとっては大きなポイントだったような気がします。今までの「認知症ケアを頑張る」という発信から、「お互いが楽になる認知症ケア」という発信にシフトしてきました。

書籍が刊行になった

何と言っても、この書籍が出たということが1番大きな変化でした。この1年ではなく、私の人生の中でもかなり大きな出来事でした。執筆を通して、改めて調べたり、考えたり、自分のケアを振り返ったことで、セミナーで話す内容もより「私らしい」発信ができるようになったと思います。

移動に強い身体になった

このセミナーは全て新幹線で移動させて頂きました。そのおかげで飛行機より新幹線が好きになり、移動に強い身体になりました(笑)岡山のときは函館から8時間くらいだったのですが、本当に贅沢な時間でした♡

さいごに

最初にも書きましたが、日総研セミナーで講師をするのがずっと夢でした。思い続けて行動していれば、夢は叶うんだなーと毎回感動していました。また、その一方で人前で話すことの怖さやプレッシャーで、毎回セミナー当日の朝は「人前で話す仕事はこの仕事で最後にしよう」と思ったりもしていました(笑)。でも、参加してくださている皆さんも「なるほどー」という相槌や笑い、そしてアンケートの「面白かった」「わかりやすくて勉強になった」という言葉に支えられてここまでやってこれました。

皆さま、本当にありがとうございました(*^^*)

2 件のコメント

  • お疲れ様でした。

    受講しているこちらこそ「感謝」しかありません。

    お師匠様のセミナーは、とても役に立つので楽しみにしている方々が多いと私は感じています。

    認知症の方もその方を世話する・介護する・看護する方々もがリラックスできるトータルケアを
    尊敬するお師匠様とめざしたい。これが私のドリームプランです。

  • 吉村さん
    いつの間にかお師匠さまと言ってもらえることに慣れてきています(笑)
    こちらこそ、いつも丁寧なフィードバックをいただけて本当に感謝しています!
    認知症の人だけでなく、自分たちも含めたトータルケア、一緒に目指していきましょう(*^^*)