自律神経症状を理解する前に知っておきたいこと

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です

大雪に見舞われた地域の方々、大変でしたね。

函館も吹雪で外に出るのが大変でしたが、今日からは少し気温が上がるようでほっとしています。

では、今日の本題です。

介護現場で身近なパーキンソン病やレビー小体型認知症では、自律神経症状のケアが重要なポイントとなっています。

自律神経は生命活動にとっても重要な神経なのですが、自律神経失調症という病名の印象が強く、自律神経というとメンタルを思い浮かべる方が多いように感じます。

自律神経症状のケアをするためには、自律神経を理解することが大切です。

神経系は解剖生理のなかでも複雑で難しく、私も看護学校の時はかなり苦戦しました。

でもこのメカニズムを知ってケアをするのとしないのとでは全然違います!!

2回に分けてお伝えするので

難しい用語も多いかもしれませんが、一緒に進めていきましょーーー

第1回目の今日は自律神経とは何かです。

神経の分類

まず神経は次のように分類されます

(いろいろな分類の仕方がありますが、これがスタンダードなものになります)

神経系の区分には、役割や機能の視点から見た場合、または解剖学的視点から見た場合などいくつかのパターンがあります。

(末梢神経のもうひとつの分類の仕方として、脳神経脊髄神経にわけることもあります)

中枢神経と末梢神経

中枢神経系は脊髄です。

身体のさまざまな部位から送られてきた情報を受け取り、その情報に対して適切な指令を下す監督みたいなものです。

末梢神経は、脳と脊髄から体の各方面へ延びる神経のことです。

体性神経は、感覚を伝える神経(感覚神経)や手足を動かすなど運動にかかわる神経(運動神経)からなります。(感覚神経は知覚神経と呼ばれることもあります)

感覚神経は外部環境の情報を脳や脊髄に向かって送る神経です。外で聞いた情報を監督に知らせるって感じですね。

一方で運動神経は、腕を上げる、走るなどの意識的な運動を起こす命令を末端に向かって送る神経です。監督の指示を伝えると言うことになります。

自律神経

そして今回の主役、自律神経です。

自律神経は脳の視床下部でコントロールされています。

自律神経は意思とは無関係に働く呼吸、循環、消化、分泌、排泄、体温調節など基本的な生命活動の維持を担う神経です。

自律神経系は内臓、心筋、平滑筋など、ほぼ全身に分布していて、ホメオスタシスの維持に重要な役割を果たしています。

体性神経との大きな違いは、自律神経系は自分でコントロールすることができないと言うところがあります。

例えば少し心拍数を減らそうとか、体温を0.5度下げようとかできないですもんね。

交感神経と副交感神経

自律神経は、交感神経と副交感神経があります。

有名なので知っていると思いますが、交感神経は興奮したり緊張したときに優位になり、副交感神経はリラックスしているときに優位になる神経です。

ほとんどの自律神経系は、二重支配拮抗支配という特徴があります。

二重支配:1つの標的器官(臓器など)は交感神経と副交感神経の両方の支配を受けます。

拮抗支配:交感神経と副交感神経は拮抗した作用を持ちます

・・・・・ここからはちょっと複雑なので興味のない方はスルーしてください・・・・・・・

自律神経系は、中枢から自律神経節を経て標的器官に分布します。

交感神経は、脊髄のなかの胸髄、腰髄から出て、交感神経節を経過し、標的器官へ

副交感神経は、脳幹の脳神経核と仙髄から出て、副交感神経節を経過し、標的器官へ

自律神経系では、主にアセチルコリンノルアドレナリンの2つの神経伝達物質によって情報(刺激)が伝えられます。

また交感神経と副交感神経とでは神経伝達物質の種類や情報を受け取る受容体が違います。

なので、交感神経と副交感神経は作用が違うのです。

ざっくりとですが、自律神経のことを少し理解してもらえたでしょうか?

私の説明では不十分なところも多いので、自律神経というキーワードで検索をしていてご自身でもぜひ調べてみてください。何度もいろんな記事を読んでいると理解出来てくると思います。

次の記事では自律神経症状とは何かについてお伝えしますね。

では、またーーー