こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。
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前回は自律神経とは何かについてお伝えをしました。
今日は自律神経症状とは何かについてお伝えします。
前回、自律神経は基本的な生命活動の維持を担っていると説明しました。
自律神経症状とは
自律神経症状とは、この自律神経の働きがうまくいかなくなることによっておこる総称です。
例えば、自律神経の働きの1つに体温調節がありましたね。
自律神経が正常に働いていれば、外部環境や体内環境に合わせて、自分で意識しなくても体温を調節してくれています。
しかし自律神経のバランスが崩れると、この調整がうまくいかないために、外部環境に合わせて熱が上がってしまったり、たくさん汗をかいたりすることもあります。

自律神経症状は多岐に渡ります。
主なものを表にまとめます。

自律神経に障害をきたす疾患は数多くあります。
例えば起立性低血圧の場合
例えば起立性低血圧ですが
前回お伝えしたように、血圧のコントロールは自律神経によっても行われています。(血圧の調整は自律神経だけではなくホルモンなども関係しています)
ですので、自律神経に障害が起これば血圧にの調整に何らかの異常をきたす事は想像できると思います。
正常な状態では、次のようなメカニズムで血圧が保たれています。

この図からわかるように、血圧が下がりそうになると、延髄から出る指令によって交感神経と副交感神経が働き血圧が保たれています。
このあたりは、生理学講座でしっかり伝えたいですね。今年は開催しようと思っています!

自律神経に障害が出ると、この反応が行われなくなるため、血圧を保つことができなくなり起立性低血圧となります。
他の症状も全て、このように自律神経のコントロールがいかなくなることによって様々な症状が出ます。
ここまでで、なんとなく自律神経症状について理解してもらえたかなと思います。
パーキンソン病やレビー小体型認知症と自律神経症状の関係
最後にパーキンソン病やレビー小体型認知症と自律神経症状の関係になるのですが、正直難しくて私もよくわかっていません(笑)
でも、ここまできたので頑張っていきましょーーー!

まず、おさえておきたいのは、レビー小体ってなんなのか?ということ。
レビー小体とは、αシヌクレインというタンパク質が集まって神経毒性をもつようになったものと考えてください。
↓ 詳しくはこちらのブログを参照してください
簡単に言うと、このレビー小体が、自律神経の中枢である視床下部や、交感神経節,副交感神経節、消化管神経叢などに蓄積することで、自律神経に障害が出ると考えられています。
あくまでイメージですが、自律神経を電気コードとして、その電気コードが外側から傷つけられたり、延長コードに電気の伝わりを悪くするようなものが溜まっていたりすることによって、届いて欲しいところまで電気を届けることができないという感じです。
『レビー小体病の自律神経症状と病理』では、
LBD では,IML,迷走神経背側核, 視床下部などの中枢の節前性自律神経障害に加えて,交感神経節や末梢臓器の節後性末梢自律神経系に αSN 陽性 LB,LN が出現する点が特徴であり,LBD の自律神経症 状の多彩性,潜在性や症状の強弱に複雑に関与している
と書かれていました。
難しいですが、もっと深く知りたいという方にオススメです!↓
吉田眞理著:『レビー小体病の自律神経症状と病理』シンポジウム1/パーキンソン病の自律神経障害
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2回にわたり、長々とお伝えをしてきました。
お付き合いいただきありがとうございました!
理解して欲しかったのはただひとつ!
自律神経症状は気持ちの問題ではない
ということです。
自律神経症状のなかに精神的なものもありますし、身体的な自律神経症状が続くことによってうつ病などに発展する事はありますが、気持ちのもちようで簡単に改善されるような症状ではないんですよね。
めまいや動機の訴えを、精神的なものとスルーしてしまう場面をよく見ますが、実際に心拍数の調整がうまくいっていないから苦しいのです。
ぜひ自立神経症状をを理解して専門的なケアをしてほしいと思います。
このブログが少しでもお役に立てたら幸いです。