こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です
レビー小体型認知症のセミナーの資料作成に没頭していて、ブログの更新が久しぶりになってしまいました。

お知らせしたように、満席のため募集は終了しました。
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さて、本題です。
このブログ、私の勉強用メモのようになってきています(笑)
今日は人物誤認についてまとめてみたので、興味のある方は読んでみて下さい!
人物誤認とは
人物誤認とは、ある人物を本人と認識することの障害のことです
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症でしばしばみられます
認知症で見られる人物誤認症状
1.カプグラ症状
家族や友人がいつの間にか瓜二つのにせ者に置き換えられている
と主張します
「夫によく似ているけど他人だ」
人物の顔の形態の認知は正常なのが特徴
2.フレゴリ症状
誰を見ても特定の人物だとみなす
「隣に座っている人は娘が変装している」
カプグラ症候群と逆
3.重複記憶錯誤
本来1つのものが複数存在すると主張する症状
対象が「人物」の場合や「場所」の場合、その両方が併存する場合などがある
「今私がいるこの家は、隣の街にも同じものが存在している」
4.単純人物誤認
娘を自分の姉と間違えたり、夫を実の父親と間違えたりする
5.幻の同居人
他人が家の中に住んでいるという認識
姿は見えない
6.鏡現象
鏡やガラスに映る自分の姿を第三者だと認識する
鏡の中の自分と会話をしたり、自分の姿に向かって怒ったりする
人物誤認症状のメカニズム
人物誤認って、どうして起こるのでしょうか?よくわかってない部分も多いようです。そして私には結構難しかったです。
調べてみると、「相貌認知の二重経路仮説」というのがあります。
顔の情報処理に関わる経路は
① 視覚野から側頭葉に至る腹側経路(意識的な顔認知に関わる)
②視覚野から大脳辺縁系至る背側経路(無意識な顔認知)
の2つがあり
①と②の情報が統合されて顔の認知が正しく行われるそうです
健康な人では、知っている人の顔を見ると、自律神経反応である皮膚電気抵抗反応(SCR)が強く起こるそうです。

顔の同定には
顔の形態を認知する経路と情動脳が関与する経路(情動的認知経路)があり
情動脳が関与する経路では、扁桃体や帯状回,前頭葉腹内側部などが関係しているそうです
つまり
顔を認識して、なんらかの情動が動くことで人物の同定がされるという感じです
カプグラ症候群例の場合だと、顔の形態認識は正常だけど、情動的認知経路の機能になんらかの問題があると考えられているようです
なんらかのお役に立つと幸いです!
【参考文献】
長濱康弘先生の『人物誤認ー解説と症例提示ー』(老年精神医学雑誌 第28間増刊号ーⅠ)
加藤元一郎先生の『精神医学的症状を神経心理学から捉える』(臨床神経学 52巻11号)
では、またー
