手がかからない症状を見落とさない

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です

函館も暑い日々が続いています。

さて、今日の記事は手がかからない症状を見落とさないようにしていきたいね!という話です。正直なところ、私もできてなかったなぁと思います。

例えばBPSDの中でも、暴力やひとり歩き、帰宅要求、妄想など私たちにとって手がかかるものは「なんとかしよう!」という気持ちがおこります。

そう、私たちが困っているから

でも同じBPSDでも、アパシーや(騒がないタイプの)睡眠障害は、自分たちにとってあまり影響がないので、なんとなくそのまま放置してしまう、というのが現場の現状だと思います。

これは、認知症ケアだけじゃなく、精神科看護でも、せん妄のケアでも同じで

陽性症状は治療(ケア)の対象になるけど、陰性症状はなんとなくスルーされちゃいがちなんですよね。

ちなみに精神症状を陽性症状と陰性症状に分けるとこんな感じ

せん妄のときは、陽性症状とか陰性症状という言葉は使わなくて、「活動型せん妄」「低活動型せん妄」と分類されます。

セミナーとかでは話したことがあるんですけど、実は私、認知症ケアよりも統合失調症の看護(とくに慢性期・陰性症状)に興味があったんです。

精神科看護って急性期のほうが目立つんだけど、意外に陰性症状がメインの慢性期のほうがずーーーーっと看護は難しくて深いと個人的には思う。症状が固定されてるから。

で、数年は慢性期病棟でも働かせてもらって、本当に面白かったですね。今は認知症をメインでやっているけど、今でも精神科看護をやりたいなーって思ったりします。

話が逸れてしまいましたが、こういう陰性症状って

症状が安定している

落ち着いている

と勘違いされてしまうケースがあります

落ち着いているのと元気がないのは全然違うんですけどね

抗精神病薬の効果も同じで

いい感じに効いているのか(ざっくりな表現でごめんなさいww)

効きすぎてぼーっとしているのか

ここの観察を雑に行ってしまうと、いきなりドーーーーンと状態が悪くなってしまうことがある

(過去にアセスメント不足で何度も失敗した経験あり・・・涙)

手がかからない症状でも、認知症の人が困っていることはたくさんあるんじゃないかなーと思ったりします

「うちの施設は利用者さんがみんな穏やかに過ごしてます!」ってのも、ちょっと疑ってみてもいいかもしれませんね

では、またーーー