認知症とせん妄①せん妄の基礎知識

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です

今年最初の記事は「ちゃんとまとめて記事しよう!」と思いながら全くできなかった

認知症とせん妄についてです

お正月休みを使って書こうと思いましたら、思いがけずものすごい量になってしまったので、2回にわけて記事にしますね

2時間くらいのセミナーができそうなくらいのスライドになってしまいました笑

久しぶりの知識系の記事になります

興味のある方は最後まで読んでみてください

一般的病棟 などでは、認知症なのか?せん妄なのか?の鑑別が重要になりますが、認知症とせん妄が併発していること少なくありません。

私のブログを読んでくれている人は認知症ケアに従事していると思うので、認知症とせん妄の併発にも触れていこうと思います

1回目はせん妄の基礎知識からいきましょう!

定義の違い

まず定義の違いから確認しましょう

後ほど認知症とせん妄の違いについても説明しますが、大きな違いはせん妄は意識障害であるということです

・脳の器質的な障害が認知症

・脳の調子が悪い(失調)のがせん妄

という感じになります

診断基準

次に診断基準に入れておきます。DCM-5とICD-10の両方載せていきます。

認知症の診断基準

なんやら難しいですが、

せん妄の診断基準

こちらはもっと文字が多いですが笑

認知症のせん妄の症状の違い

では認知症とせん妄の違いを表にまとめます

表にまとめるとわかやすいですよね

発症が緩やかで慢性的に進行していくのか

発症が急激で一過性なのか

ここが大きな違いだと思います

症状の変動について、「認知症の人だって感情の波があるじゃないか!」と思うかもしれませんが、ここでいう症状は認知機能障害のことです

ただ、レビー小体型認知症の人は睡眠覚醒レベルを含めて日内変動がありますので、ここでは除外しました。

せん妄の3つのタイプ

せん妄と聞くと、安静を保てず動き出したり、チューブ類を自己抜去をしたりなど激しい症状を浮かべる方が多いと思いますが、せん妄は次ののタイプに分けられます

せん妄の成り立ち

こちらの図はよく知られているせん妄の成り立ちになります。

ひとつひとつをもう少し詳しくみてみます

準備因子は脳の脆弱化とも表現されます

直接因子は単一でも直接意識障害を引き起こす可能性があるものになります

誘発因子はせん妄発症の後押しをするようなイメージです

せん妄の要因

違うカテゴリーせん妄の要因をまとめてみました

せん妄を引き起こすやすい薬剤

せん妄は薬剤との関係が強いと言われています

抗精神病薬ばかりではなく、胃薬や血圧の薬も関係することを知っておくとよいと思います

ここまでがせん妄の基礎知識になります

せん妄ケアだけで1冊の本として売られているくらいなので、せん妄は複雑ですねー

私もまとめながら、改めて勉強になりました!

次回は、認知症のせん妄が併用しているケースについて触れていきます

参考文献・参考サイト

長谷川典子、池田学:『認知症とせん妄』日本老年医学会雑誌、51巻5号

公益社団法人 日本精神神経学会『 和田健先生に「せん妄」を訊く』
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=40

看護roo!現場で使える看護知識
せん妄と認知症の違いは何ですか?
https://www.kango-roo.com/learning/5573/


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2 件のコメント

  • お師匠様

    本年もよろしくお願いいたします。

    来月より、認知症高齢者グループホームでの
    介護業務が加わるのでグッドタイミングでの
    記事。

    本当にありがとうございます。

  • 吉村様
    今年もよろしくお願いいたします!
    新さんからいただいたご質問、ブログで使わせていただきました^ ^