こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。

初詣に行ってきました。
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少し前に物取られ妄想の記事を書きました。
こちらの記事では、物取られ妄想の要因は認知機能低下が原因だけど、ある程度の認知機能(ストーリーを組み立てる力、言語能力など)が必要ですよ、ということを書きました。
今日は少し別の視点で、読み解いていきましょう!
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被害妄想は「人に関心がある」からこそ起こるという話。
先程の記事にも書いたように、被害妄想はアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症に多くみられます。
アセチルコリン系神経細胞やドパミン系神経細胞の障害が関係が深いことも影響しているのではと考えられています。(これはまたどこかの機会で詳しく書けたらと思います)

どちらの認知症にも共通するのは、他者への関心は中期頃まで保たれる傾向にあるということです。
一方、認知症の勉強をした方はご存知だと思いますが、血管性認知症や前頭側頭型認知症は病気の特徴に
無関心
アパシー
がありますよね。
血管性認知症は障害される部位によって症状が変わるので、一概にはいえない部分がありますが
前頭側頭型認知症の人は、被害妄想ってほとんどありません。
関心がないから。

私の印象ですが、アルツハイマー型認知症の人は中期前半頃まで社会性が保たれる傾向にあると思います。
他人にどう見られているか、とっても気にしています。
実際それが取り繕いや作話に繋がったりします。
だから、他者に対する妄想が生まれてきます。
レビー小体型認知症の人は、被害妄想のなかでも嫉妬妄想が多いのですが、これも配偶者に対する関心があるから起こることです。
進行性核上性麻痺なんかも、無関心になるので被害妄想は少ないそうです。
先程少し触れたように、ドパミン系の神経細胞の障害が被害妄想に関係しているのではないかと言われています。しかし、進行性核上性麻痺はドパミン系神経細胞の障害があっても被害妄想はみられない傾向にあるので、それだけが問題ではないんでしょうね。。難しいですねー。

言われてみれば、なんか私もそうだなーと思ったんです。
自分が全然関心のない人にはなんて言われようと全く気にならないけど、自分の大切な人だったり関係性が近い人だと、ちょっとしたことで「嫌われたんじゃないだろうか?」と勝手に被害的になっている部分があるなーと(笑)
アルツハイマー型認知症の人も、レビー小体型認知症の人も、いつか他者への関心が失われます。
そうなれば、被害妄想もなくなります。
それが良いとか悪いとかではなく、事実です。
受け止め方は自由です。
では、またーーー