【ご質問】レビー小体型認知症の妄想・幻覚・幻聴について

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。

お伝えしていました公式LINEですが、本日開設しました。

・・・といっても、そんなにお知らせが届く回数は多くないと思いますが(笑)

セミナー情報や、インスタライブのお知らせなどがたまーに届くかと思います。

お友達登録のお礼に「認知症の人の被害妄想について」の20分の動画をプレゼントさせていただきますので、受け取ってください♡

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では、本日の記事になります。

今回も前回に引き続き頂いたご質問にお答えしていきます。

質問
レビー小体型認知症の妄想、幻覚、幻聴に対するお薬の調整などを知りたいです。

ということで、ご質問ありがとうございます!

私は医師でも薬剤師でもないので、お薬の調整という部分にはお答えできないのですが

①レビー小体型認知症の妄想・幻覚・幻聴について

②レビー小体型認知症の薬剤過敏性について

について、私自身の勉強もかねて記事にしてみます。

参考文献なども載せていきますね。

【まとめ記事】レビー小体型認知症の病態生理

2019年6月22日

①レビー小体型認知症の妄想・幻覚・幻聴について

レビー小体型認知症の妄想

レビー小体型認知症は認知症のなかでも、妄想がみられやすいタイプですよね。

認知症、非認知症にかかわらず老年期の幻覚や妄想の多くは、幻視・幻聴と関連した誤認妄想と被害妄想だということがわかっています。(参考文献1)

レビー小体型認知症の妄想は幻視に起因するものがあります。過去に私が関わった患者さんはネズミの幻視があって、「家にネズミを放たれた。近所の人が私の家を壊そうとしている!!(怒)」と言っていました。

またレビー小体型認知症では嫉妬妄想が多いことが特徴です。 ある研究では嫉妬妄想がアルツハイマー型認知症の5倍だったという結果もあるそうです。(参考文献1)

背景には配偶者との格差や、認知機能障害、身体合併症などによる自身の心理的な揺れなどもあるようです。またドパミン神経系の障害も関係があるようです。このあたりは公式ラインのプレゼント動画でも話していますので、是非観てみてください!

被害妄想についてはこちらの記事にも書いています。

“関心がある”から被害妄想につながる

2023年1月10日

レビー小体型認知症の幻視・幻聴

病初期からみられる特徴的な症状です。

最近ある論文を読んでいて知ったのですが、幻視には「単純幻視」「複雑幻視」があるそうで。単純幻視は光、しみ、模様など無意味な視覚パターンの内容で、複雑幻視は人、動物、物体などの意味のある内容を有する幻視なんだそうです。

なのでレビー小体型認知症の人の幻視は「複雑幻視」になるんですね! 新しいことを知ってひとつ賢くなりました(笑)


新しく学んだことはどんどんセミナーなどでお伝えしますね!

人物の場合、「知らない人」のケースが多く、性別、大まかな年齢は分かるようですね。

たまに「死んだ父がみえた」とかいう人もいますけど、あれはどうなんでしょうね?幻視なのか、それとも・・・。。。

参考書などでは、レビー小体型認知症の幻視に関して「はっきりと鮮明にみえる」と書いています。今まで本人に聞いてみて、「肌がきれいな女の人だった」と肌質まで表現した人もいましたし、「はっきりとはわからない」と言う人もいたので、人それぞれなのかなーと思います。

私の経験では、幻視で見えている人物と話したと訴えたは少なかったのですが、20%~40%は「話をする」と訴える人がいるそうです。これは幻聴ですね。

こちらの研究論文では、幻視よりは少ないですが幻聴も初期から症状を訴える人がいることがわかります。

本人から訴えがなくても、ご家族から「誰かと話しているようだ」という報告はそれなりに聞くことが多いので、幻聴もあるようですね。

アルツハイマー型認知症でも幻覚を訴える人はいますが、レビー小体型認知症のほうが多いですね。これはさまざまな文献にも書いていますし、私自身の経験からもそう思います。

レビー小体型認知症の薬剤過敏性について

レビー小体型認知症は抗精神病薬をはじめ、さまざまな薬剤に対して過敏であることがわかっています

要因ははっきりとはわかっていないようです。

私は医師ではないので処方したことはありませんが、医師の先生たちも少量から開始していましたね。

精神科の認知症治療病棟に勤務し始めて、まだ認知症の知識が全然ない頃に、精神症状が激しいレビー小体型認知症の患者さんになかなか医師が抗精神病薬を処方してくれなくて、「え!どうして?」と思っていました。

今なら、その怖さも、調整の難しさもわかります。

薬の副作用もすぐにわかりやすく出現する人もいれば、飲み始めは大丈夫だったのにある日いきなりガクッと悪くなることもあって、難しいなーと感じました。

その人の体質的なものもあるでしょうし、そのときの身体の状態(脱水、栄養状態など)にもよるんだと思います。

薬の量は医師にしか決められませんが、医師がその判断をするための材料は私たちが提供できます

精神状態や、薬剤が増量または原料になってからの変化などを細かく観察し、それを次の診察の時に伝えることで、維新薬剤の調整を考えることができると思います。

参考になると嬉しいです!

【参考文献】
1)鐘本英輝、池田学著『老年期発症の幻覚・妄想と変性性認知症』老年精神医学雑誌 第32巻第6号 P649~656
2)西尾慶之著『老年期にみられる幻視・錯視』老年精神医学雑誌 第32巻第6号 P641~658
3)内海久美子著『レビー小体型認知症の初発症状とRI検査の有用性』

今回の記事はこちらの雑誌を主に参考にして書きました。難しかったですが、勉強になりました♡

では、またーーー


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