こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。
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さて、先週 三日間にわたる認知症ケア中級編が終りました。 前回もそうでしたがこの3週間は他の仕事が手につかなくなるくらい、この講座に集中してました。

とっても楽しかったです!ありがとうございました♡
今年はあと1回の開催を予定していて、時期は10月後半から11月上旬を予定してます。
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さて、今日はその中級編の補足記事で、ビンスワンガー病についてです。
中級編に参加していない方も興味がある方は読んでみて下さいねー。
ビンスワンガー病
ビンスワンガー病とは
血管性認知症のひとつで、白質病変により認知機能低下や身体機能の低下が起こる疾患です。ラクナ梗塞などと合わせて皮質下認知症に分類されます。

白質とは

大脳の表面は神経細胞の細胞体が密集しているところです。白質は髄質とも呼ばれ神経線維とグリア細胞からなります。
神経細胞の構造

人の多くの神経繊維は髄鞘をもち、有髄線維ともいわれます。この髄鞘はグリア細胞のオリゴデンドロサイトがテープのように巻きつき、内部は細胞膜が何層にも重なって年輪状の構造を作っています。

↑ この図だと青い細胞がオリゴデンドロサイト
この髄鞘は伝達速度に関わっていて、髄鞘のない無髄線維よりも伝達速度がとても速いです!
脱髄とは
ビンスワンガー病では脱髄がおこります。
脱髄は先ほど説明した髄鞘が脱落・消失してしまうことです。
その結果、神経細胞が弱くなったり、情報伝達の速度が遅くなったりします。

白質はこのように脳内の異なる部位を結ぶ連合線維や、左右の大脳半球をつなぐ交連線維、大脳皮質と下位の脳や脊髄とのあいだを結ぶ投射線維があります。
脱髄が広範囲になると、脳の連携がうまくいかなくなるので、さまざまな症状が出現します。
ビンスワンガー病の原因
一般的な血管障害と同じで、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、 高脂血症などの生活習慣病が大きく関わっています。
これらの背景によって動脈硬化が起こり、脳虚血になります。
ビンスワンガー病の症状
歩行障害、嚥下障害、集中力の低下、手の震えなどが出現します。意欲の低下や軽いうつなどの障害が表れやすいことも特徴です。
ここでおさえておきたいポイントは、パッとみた感じはアルツハイマー型認知症に似ているけど、脳病変は違う、ということです。
アルツハイマー型認知症は、大脳辺縁系から大脳皮質に病変が広がる、海馬や側頭葉内側から広がる、といったようなある程度の規則性がありますが、ビンスワンガー病は脳全体がゆっくりと障害されていくので症状が身体症状を含め、症状が多岐にわたります。

アルツハイマー型認知症との関係
アルツハイマー型認知症と血管性認知症の合併が多いことは有名ですよね。昔は脳実質のみに沈着すると思われていたアミロイドβが脳血管にも沈着することもわかっていますし、逆に脳虚血がアルツハイマー病理の進行をはやめるとも言われています。
(参考:冨本秀和著:『皮質下血管性認知症の診断と治療』臨床神経学2010 年 50 巻 8 号 p. 539-546)
皮質下認知症は発症や進行が ゆっくりなため、アルツハイマー型認知症っぽく見えます。しかし進行の仕方や治療は違います。もちろん診断や治療は医師が行うことですが、ケアする私たちがこのようなことを知っておくのはマイナスにはならないと思います。
お役に立つと嬉しいです!
では、またーーー


