レビー小体型認知症の3つのタイプとパーキンソン病との関連

レビー小体型認知症の病態

認知症は今の時代、誰もが知っている病名です。ただ、アルツハイマー型認知症のイメージが強く、認知症といえば記憶障害、というような認識を持つ人が専門職であっても多いのが現状です。しかし、最近今回説明するレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症とは違う症状が出現します。レビー小体型認知症の認知度の高まりとともに、診断数は増えてきており、今後さらに増えることが予測されます。

こちらの記事をまだ読んでいない方はこちらを先に読んでいただけるとわかりやすいと思います。

レビー小体型認知症の特徴・症状・経過

2018年5月15日

今回はもう少し詳しい病態について説明をしたいと思います。

レビー小体型認知症とパーキンソン病

レビー小体型認知症は、レビー小体という異常なタンパク質が脳にできることで起こる認知症です。もともとレビー小体はパーキンソン病に特有にみられるものだと考えられていたそうですが、1976年に小阪憲司先生が認知症とパーキンソン病を合併した症例を発見・報告したことで、レビー小体型認知症という病気が確立されたそうです。

レビー小体とは

レビー小体は、αシヌクレインというタンパク質が主成分です。αシヌクレインは神経細胞を死滅させてしまうため、身体に異常が現れます。

本質的には同じ病気

レビー小体型認知症とパーキンソン病は本質的には同じ病気で、脳のどの領域の神経細胞にレビー小体が溜まるかで診断名が変わります。

この3つのタイプを総称してレビー小体病と呼ばれることもあります。

アルツハイマー型認知症との比較

アルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症は同じ認知症でも特徴に違いがあります。

症状の現れ方は人それぞれ

レビー小体型認知症に限ったことではありませんが、症状の現れ方は人それぞれです。幻視、パーキンソニズム、記憶障害がレビー小体型認知症の3大兆候といわれていますが、3つの症状が必ずはっきりと出現するわけではなく、実際に今まで関わったケースでも幻視が現れないタイプやパーキンソニズムが目立たないタイプもいました。

合併することも多い

レビー小体型認知症も比較的新しい病気ですので、日々情報が変化しています。もともとはアルツハイマー型認知症と診断を受けた人がレビー小体型認知症の症状が出てきたり、または前頭側頭型認知症のような症状が出てくることもあるそうです。

まとめ

レビー小体型認知症はパーキンソン病は密接に関連しています。「認知症」という診断名がついているからといって、精神症状や認知機能だけに視点を起きすぎるのではなく、身体面の観察も重要です。

2 件のコメント

  • アルツハイマー型認知症との比較を知っておくだけで、ご本人の対応に役立ちます。ありがとうございます。

  • とても勉強になります。レビー小体認知症とパーキンソン病の兼ね合い、合点がいきました。
    ありがとうございます😊