虐待事例を勝手に考察⑤向精神薬を服用させる

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。

先週は日帰りの仕事で東京に行ってきました。日帰りは初めて「疲れるかなー」と思っていましたが、意外とよかったです。

徐々に主張の仕事が増えてきたので、移動に備えて体力作りをしないとなーと思っています。


さて、今日は久しぶりの虐待事例を勝手に考察するシリーズ第4弾です

虐待事例を勝手に考察①ナースコール鳴らせない・閉じ込め

2023年6月13日

虐待事例を勝手に考察②顔を殴る

2023年6月27日

虐待事例を勝手に考察③施設長が暴力・高圧的

2023年7月4日

虐待事例を勝手に考察④体をくすぐる、愛称で呼ぶ

2023年8月1日

今日の事例はこちらです。


この記事だと、職員が看護師なのか介護士なのかわかりませんでしたが、 他の記事で探したところ介護士さんのようです。

高齢者施設という事ですが、具体的にどのような施設だったのかは調べることができませんでした。



施設によって違うのかもしれませんが、看護師がいる場合は薬の管理は看護師が残薬の数なども含めて管理をしていると思うので、看護師が常駐していない施設なのかなーと思ったりしました。


まず前提として逮捕されたという事は、当然この薬が本人のものではなかった(医師から処方されたものではなかった)ということですね。


また「市販薬ではなかった」とありますから、他の利用者の薬を飲ませたという可能性が1番高いのかなーと思います。
(この当該元職員が自分に処方された薬だったとか、家族等の薬だった、などの可能性もあるかもしれませんね。)


一人夜勤だったのか?
これがはじめてだったのか?
他の職員は気づかなかったのか?
薬の管理はどのようにしていたのか?


などなど、気になるところはたくさんありますが、この記事からだけではちょっとわかりませんね。



この記事ではっきりしているのは動機ですよね。

「仕事を楽にしようと思った」

服用させたのが午後8時と言うことなので睡眠薬か何かなのでしょう。

そしてこの元職員にとっては、この被害にあった利用者さんが起きていると自分の仕事が楽にならないという認識があったことは予測できます。

この元職員が、疲労困憊で追い詰められてこのような行動をとったのか、安易な気持ちでこのようなことをしたのか分かりませんが、 本人のものではない薬、しかも向精神薬を服用させるというのはなかなかです。

ほとんどの医療・介護職員が、誤薬に怯えまくっているなかで、この行動って本当に思い詰めていたか、逆に薬や医療の知識が無さすぎて深く考えなかった、ではないかと私は考えました。

被害に遭った利用者さんは、数日間にわたり意識障害だったとのことですが、回復されて本当によかったです。


この記事からなんとなく考えられるのは、被害に遭われた利用者さんは不眠や徘徊などのなんらかのBPSDがあったのではないかということ。

非薬物療法での対応に限界を感じていたのであれば、きちんとこの利用者さんに合った薬を処方してもらっていれば、このようなことにはならなかったのかもしれませんね。


いつも言っていますが、抗精神病薬や向精神薬は決して悪ではありません。

きちんとその人に合ったものであれば、生活が安定します。


当たり前のことですが、この事例において向精神薬を服用させたことが問題なわけではありません。本人に処方されていない薬を待っている混ぜて意識障害を起こしたということが問題です。少し勘違いされている方がいるようなので。。。




実はこの事例、私は正直驚きませんでした。

私が実際に関わった事はありませんが、以前セミナーに参加してくださった介護職の方から、「うちの看護師が眠らない患者さんに他の利用者さんを睡眠薬を勝手に飲ませている」と相談を受けたことがあるからです。

こちらのケースはかなり頻繁に行われているようでした。

正直、今回紹介した事例のように意識障害などが起こらなければ発覚しないことがほとんどでしょう。


また施設などでは、入所時に預かったけど飲まなかった薬、途中で服用中止になった薬、処方されたけど結局服用しなかった頓服、 入所中に亡くなった方の薬などが返し忘れた、家族がいらないと言ったなどの理由で残っているケースも多いようです。

このような薬を悪用する人もいるということも想定したうえで、薬の管理はしっかりと行うことが求められていると思います。



以上、勝手に考察でした。

では、またーーーーー