先日の虐待を内部告発したという内容にたくさんの反応がありました。内部告発のことはあの記事で完結させるつもりでしたが、少しだけ追記したいと思います。
本当はもっとはやくできることがあった
こちらの記事の最後にも書きましたが、決して内部告発をすることがよいわけではありません。言うまでもありませんが、内部告発をすると言うことは虐待事例が発生してしまった、ということです。
先記事を読んだ方から「尊敬します」「すごい勇気です」というコメントやメッセージをいただきましたが、決してそうではありあません。私も、そのようなことになる前にできたことがあったはずなんです。
そのときは自分がクリーン(白)なケアをしていたら、きっと気づいてくれる、病棟の雰囲気を変えることができる、と信じていました。
今は「人を変えることはできない」とわかっているし、「相手は相手なりの正義がある」というのもわかっていますが、当時の私は自分が正しいと思っていたし、それを周りの人たちにも押し付けてようとしていたんだと思います。
また、私はこの病院が好きだったので、自分が辞めなければならない状況に追い込まれたくない、という気持ちがあったために、そこに至るまでにできたであろうことを避けていたことが否定できません。
SNSではこのブログに対して肯定的なコメントが多かったのですが、これが全てではないことは私も承知しています。否定的なコメントは書きにくいだけで、否定的な感情を持った専門職はいて当然です。
「虐待が良くない」なんて、みんなわかっています。だけど、やってしまう。現場で働く専門職は、「虐待は表面化していないだけで、本当は常にどこかで起こっている」ということを知っています。まずは、専門職がこの事実を素直に認めることから始まるのはないかと考えています。
小さな範囲からでいい
あえて言わせてもらうと、「虐待のない社会を」なんて、硬く考えなくてもいいと思います。せめて「自分の職場だけはクリーンなケア」という狭い範囲で構いません。その小さな範囲での変化が結果として社会レベルでの変化につながるはずなので。
だからこそゆるらく認知症ケア
虐待、グレーゾーンのケアをなくしていくには、いつも言っているように「自分の気持ちが楽なこと」が大切だと考えています。先記事のコメントやメッセージにも数名「だからこそ、“ゆるらく”なんですね」と書いてくださった方がいて、伝わっているんだ!!!とすごく嬉しく思いました。
そうなんです。だからこそ、「ゆるらく」なんです。自分の気持ちが楽じゃないと、認知症の人も楽になれない。改めて、ゆるらく認知症ケアをどんどん発信していこうと決意しました。
いつもありがとうございます。先日の事です。夜勤中に当事業所で、困難事例の代表格とされておられる利用者様がベッドから何度も起き上がり、立ち上がろうとされている場面で。自分の感情面が大きくなり言葉を発しようとした瞬間。
「私は何に対してむきになっているの?」と声が聞こえたきがしました。その瞬間気持ちがゆったり。
お師匠様の教えで救われています。