日付や時間を伝えることの意味

こんにちは、ブルーベル代表 市村幸美です。

社会的なコロナショック、個人的なコロナショック。メンタルの筋肉を鍛えなおさなきゃなーと感じている市村です。

さて、今日は少し方向をかえて、日常のケアについて書こうと思います。

介護施設やデイサービスなどで、朝とかレクの時に、今日の日付を伝えますよね。

(私は「今日は何日ですか?」と聞くことはほとんどしません)

あれに意味はあるのか?という話

多少状況の違いはありますが、この質問けっこう多いんです。

結論から言うと

伝えることに意味はある

だけど認知機能の維持・改善のためだとは考えない方がいい

認知症の症状のひとつに見当識障害があります。

認知症の症状「認知機能障害」について

2018年5月15日

見当識障害は時間→場所→人の順で障害されていくのですが、時間ももう少し詳しくみていくと、時→日→月って感じで障害されていくことがわかっています。

で、まずひとつ覚えておきたいのが

「私は時間がわからなくなってしまって、生活をするのに不安を抱えています」

「私は日時が不明確になっているので教えてください」

とか言ってはこない、ということです

言わないからといって、困っていないわけではない

ただ、観察をしていればだいたいの障害の程度はわかります。

はっきりと困っているということは言わなくても

まだ日中なのにパジャマに着替えて出てくる

とか

「さっき食べたご飯って朝ごはん?お昼ごはん?」

とか

季節に合ったイベントなのにピンときていない様子

とか

とか、なんとなく「わからなくなっています」という表現はしています

このような日常会話から見当識を分析できるようになるといいですよね。(できたら、記録に残しておくとベストだと思います。)

少し話がそれましたが、こういう「今が何時かわからない」「今日が何日かわからない」という状況に対して、時間や日付を伝えることは今の時間軸に調整する意味があると私は思っています。

時間軸がブレてるんじゃないかと思うんです。(私は認知症ではないのであくまで予想ですけど)

ブレててもいいんですけど、ずっとブレてると混乱してしまう場面も多いのかな、と。

だから、1日のなかで数回、今の時間軸を伝えることって意味があると思っています。

よくセミナーでもお伝えするのですが、認知機能(症状)のフォローができていると行動・心理症状(BPSD)が出にくくなります。この話は別の記事にします。

朝伝えるのもよし

「朝ごはんですよ」「10時なのでコーヒーをお持ちしました」と伝えるのもよし

季節に合った飾り付けをするのもよし

いつもやっていることですよね

これだけでいいんです

伝えるだけ

たぶん、ここが大事

たぶんこじらせてしまっているのは「覚えさせよう」「認知機能を維持・向上させよう」といったような脳トレ要素を求めるから「これ意味あるの?」となってしまうんだと思います(変化がないから)

そういうの

全然いらないです

MCIの人だったら効果あるかもしれません

でも、見当識を担う脳のエリアがダメージ受けてたら、もう無理なんですよ

タイヤがひとつ外れてる車が普通に走れないのと同じ

同じことばかり言っていますが、キャパ以上のことを求めない

普段当たり前にやっていることが、認知症の人のなにをフォローできているのか?という視点がもてれば、無力感に苛まれることが減るかなーと思ったりします

では、またー

1 個のコメント

  • お師匠様

    いつもありがとうございます。

    当事業所で悩むのが若いスタッフに

    キャパ以上のことを求めない
    認知機能を維持・向上させよう を求めない

    上記を理解してもらうには、どうするか?

    支援者の感情面が優位になっていることも多いのですが

    伝えるだけ の意義を自分で考えてもらう。→ これにチャレンジします。