認知症ケアで知っておきたい「抑うつ状態」と「アパシー」の違い

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です

函館もなんとなく暖かい日が多くなってきました。(でもまだ朝は寒いです)

月曜日は、前回の記事でもお伝えしたように日本終末期ケア協会のオンラインイベント『学びLabo』のがありました

代表理事の岩谷さんとの対談が、めちゃくちゃ楽しかったです。来月も楽しみです♡

さて、今日は久しぶりに認知症の症状に関することを書いてみようかなーと思います。

認知症の症状を調べていると、「うつ状態」が症状のひとつとしてでてきます。

私が認知症を勉強しはじめた頃は、「うつ」と「認知症」の区別をしよう、みたいな流れだったと思うのですが、今「うつ」と「認知症」は合併しているというような認識になっているようです。

また以前は、意欲の低下、自発性の低下、活気の低下、興味のなさ、アパシーなども全部まとめて「うつ状態」とまとめられていたような感じがします。

「認知症」と「うつ」の関係はめちゃくちゃ深くて難しいので、今日は「抑うつ状態」と「アパシー」の違いだけまとめます。

まずは簡単に用語を整理してみましょう

抑うつ気分(抑うつ)
→気分が落ち込んでいる

抑うつ状態(うつ状態)
→抑うつ気分が強い状態

うつ状態が強い場合
→うつ病(大うつ病)

とこんな感じ

けっこういろんな用語が使われてるんですよねーー

この記事では「抑うつ気分」もまとめて「抑うつ状態」という用語を使っていきます

認知症とうつ状態の関係ですが

おおよそ

アルツハイマー型認知症30%

レビー小体型認知症40%

前頭側頭型認知症20%

血管性認知症40%

の割合で出現するといわれています

アルツハイマー型認知症の場合は、できなくなったことが増えたり、日常生活の失敗から不安が強くなったり、自信を失うことから頭状態になることが多いといわれています

その他にもドパミンに関わる神経細胞が減少したり、レビー小体型認知症との合併(扁桃体にレビー小体が現れる)もあるようです

次に認知症とアパシーについて考えてみましょう

アパシーは自発性の低下や無関心、活気のなさなどうつ状態と似ていますが、抑うつ状態とアパシーは別の病態とされています

アパシーはおおよそ

アルツハイマー型認知症70%

レビー小体型認知症50%

前頭側頭型認知症85%

血管性認知症70%

の割合で出現するといわれています

抑うつ状態よりアパシーのほうが多いですよね

まず

アパシーは器質的な要因
うつ状態は機能的、心理面、環境面が要因

という違いがあり

抑うつ状態は本人が苦痛を感じている
アパシーは本人に深刻さがなく苦痛が希薄

という本人の感じ方にも違いがあります

ケアをする立場でではこの状態をどうみていけばいいかと考えたときに

私たちは無理に「認知症かうつかアパシーか鑑別しよう!」とか思う必要はなく

「本人が苦痛を感じていて助けを求めているのか」「本人は苦痛を感じておらず、そっとしてほしいと思っているのか」を感じとって接していくことが大切かなーと思います

まだうつに関してはいろいろあるのですが、それはまた別の記事で書いていこうと思います。

お役に立てるとうれしいです

では、またーーー