進行性核上性麻痺(PSP)について

こんにちは ブルーベル代表 市村幸美です。

3月開催の認知症ケア講座の募集を開始しました。

『楽しく学ぶ!認知症ケア講座』3月(夜2回コース)

2023.01.10

昨年7年ぶりに再開して、写真を取り忘れちゃってるんですけど(笑)リクエスト開催も含め、たくさんの方が参加してくれました!ありがとうございます♡

3月は“日中の参加が難しい・・・”という方向けに2回に分けて夜に開催してみようと思います。

皆さん、どちらが参加しやすいのかな?

ご参加お待ちしています♪

さて今日は久しぶりの知識系の記事になります。

まだ書いていなかった進行性核上性麻痺(PSP)についてまとめます。

進行性核上性麻痺とは

進行性核上性麻痺は神経変性疾患のひとつです。神経変性疾患とは中枢神経の神経細胞のなかで、ある特定の神経細胞が徐々に障害をされる病気の総称です。

1963年にリチャードソン医師らがアメリカの神経学会において典型的な進行性核上性麻痺の症状を報告したことが始まりのようで、日本では平成15年10月1日から特定疾患として認定されました。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、パーキンソン病も神経変性疾患です。

最近、よくこの病名を聞くことが多いなーと感じていたんですが、やはり高齢化とともに増加しているそうです。

病理学的変化

中脳、大脳基底核、脳幹、小脳などさまざまな場所でタウ蛋白の蓄積がみられ、神経細胞が減少します。(黒質、淡蒼球、視床下核、小脳歯状核など)

↓タウ蛋白についてはこちらの記事を参考にしてください。

嗜銀顆粒性認知症(AGD) とは

2022.03.08

また神経細胞だけでなくグリア細胞にも異常がみられます。

グリア細胞とは、中枢神経を構成する細胞のなかの神経細胞以外の細胞のことです。形態や機能によってアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、上衣細胞の4種類に分類されています。

アストロサイトは神経細胞に栄養を与えたり、血液脳間門の形成などを行っています。
オリゴデンドロサイトは髄鞘を形成して神経伝達の速度を調整しています。
ミクログリアは脳における免疫機構を担っています。
上衣細胞は脳室系の壁を構成を担っています。

分類

細かく分類されているようなのですが、主にこの3つに分けられます。

この他にも、前頭葉徴候を主徴とするタイプや、発語・言語障害を主徴とするタイプなどがありますが、日本ではリチャードソン症候群が約半数を占めるそうです。

タイプにより進行の速度や予後が異なります。

主な症状

症状はパーキンソン病に似ています。

眼球運動障害

上下方向の眼球の動きが悪くなります。とくに下の方を見づらいというのが大きな特徴です。進行に伴い水平方向の動きも悪くなり、最終的には全方向の動きが悪くなります。

本人が目に見えにくさを訴えることは少ないそうですが、「新聞が読めなくなった」といったような訴えをすることがあるそうです。

ちなみに眼球運動は①大脳皮質から脳幹に至る神経と②脳幹から眼球に至る神経に支配されていて、①核上性②を核下性として区別しています。

この病気は「核上性」の障害による眼球運動障害のため、このような病気の名前がついています。

姿勢保持困難

バランスを崩しやすく、立て直すことが困難となります。進行すると頚部が後屈するのが特徴です。

パーキンソン症状

筋固縮、動作緩慢がみられます。タイプにもよりますが、振戦は目立ちません。

無動になりますが、突然立ち上がって倒れるといった症状があり、「PSPのロケットサイン」と呼ばれています。

認知機能障害

アルツハイマー型認知症とは異なり、記憶障害や見当識障害は軽度です。実行機能障害や前頭葉症状(アパシー・無関心・脱抑制・保続など)が特徴です。

人格の変化も特徴です。私の感覚としては、このあたりは前頭側頭型認知症と似ています。

易転倒性

とにかく頻繁に転倒します。1日に何度も転倒します。

レビー小体型認知症の人も転倒しやすいという特徴がありますが、進行性核上性麻痺の人はもっと転びます。

バランスを失ったときに手を出して守るなどの反応が鈍いので派手に転倒することも多いです。姿勢反射障害に加え、注意力の低下などの認知機能障害も影響します。

また転倒への恐怖も少ないのが特徴で、このあたりがパーキンソン病やレビー小体型認知症の人と違うなーと感じるところです。

このほかにも構音障害や嚥下障害なども高頻度でみられます。

治療

現在根本的な治療はなく、対症療法がメインとなります。

まとめ

【参考文献】
・進行性核上性麻痺ケアマニュアル第4版
・饗場郁子著:進行性核上性麻痺の診察のポイント、老年精神医学雑誌、32(10)、P1100〜1109

 

参考になると嬉しいです!

では、またーーー


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2 件のコメント

  • お師匠様

    いつもありがとうございます。

    進行性核上性麻痺

    よく転倒する方がおられるので
    どうしたものかとおもっていましたが
    断定はせずとも、ケアの参考になります。

    余談ですが、昨年末から1月10日くらいまで
    サポートに入っていたグループホームで
    感染症発生で大忙しでした。
    今月末でこの事業所での勤務は終了しますが
    既に3年経過していても準備不足の事業所が
    多いのではと実感した次第です。

    • いつもコメントありがとうございます。そして講座のお申し込みもありがとうございます!
      記事の内容が参考になると嬉しいです。
      感染症の対応お疲れまさです。頭で考えているイメージと実際なってみてからわかることって違いますよね。

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